見知らぬ人と一緒に演奏してみる
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元記事:ITmedia ライフスタイル:ネットで音楽セッションも楽じゃない
ネットを通じて世界中の人とセッションができるかも…という全世界の日曜ミュージシャンに朗報なニュースが流れています。
これは、YAMAHAの「iSession」という技術で、ネットを介してセッションをしようという試みがなされている模様です。今月の2日まで幕張メッセの日本コンベンションセンターで行われていた、ネットワーク関連の技術の展示会である、Interopにてデモンストレーションがなされていました。
[参照]NETWORLD+INTEROPオフィシャルサイト
具体的には…
IPv6関連の展示の中で行われていた、このiSessionですが、仕組みとしましては、リアルタイムにMIDIデータを送受信し再生するという単純なものです。
ただ、仕組みは単純ですが実現には問題がいくつか。その際たるものがリアルタイム性の確保とのこと。ネットは、どこでデータが行方不明になるかわからないという、元々信頼性の無いメディアです。その為に、TCP等の技術を用いて、確実に通信が行われるようにしているわけです。
それに、その例えばTCPは、信頼性の確保のために、通信速度やらを犠牲にしています。
[参照]TCPの仕組み
[参照]サーバの要塞化とTCP/IPの基礎知識
なので例えばストリーミング放送のような、リアルタイム性が重要な場合は、UDPといった、信頼性をあきらめる代わりに、リアルタイム性を重視した仕組みを使って通信を行います。
[参照]IT用語辞典 e-Words : UDP 【User Datagram Protocol】
[参照]TCPとUDP、ストリーミング事情/IT用語辞典/キーマンズネット
しかし、じゃあセッションでもUDPでいけばいいじゃんというと、そういうわけにも行かなかったりします。
例えばストリーミングラジオであれば、ちょっと情報が欠けても、最悪音が飛ぶだけです。けれども、今回飛ばしているのはMIDIデータなのです。MIDIデータは、例えば仮に”ミの音を出す”というデータが消えれば、音がなくなるだけですが、”ミの音を止める”というデータが消えると、音が鳴りっぱなしになります。このほかにもただ音声を流すのとは違い、色々と不都合があるようです。
この辺りの、信頼性とリアルタイム性の両立がこの技術のキーみたいです。ネットの世界ではこの二つは相反するものなので、これは難題です。現在のテスト運用では、苦肉の割くとして、フレッツIP多地点接続サービス という高価な専用線を使っています。
[参照]フレッツIP多地点接続サービス -NTTビズリンク
このあたりの事情は
森山和道の「ヒトと機械の境界面」に詳しいです。ぜひどうぞ。
>実際の合奏時には音以外にも目線や身ぶりなど多くの情報が必要であり、
>ネットを介して相手が向こうにいるという実感が必要
というコメントが出ているところを見ると、なかなか音だけでのセッションは前途多難なようです。ビデオ会議でそのままセッションするのが一番実現が速そうです。全員がWebカムとADSLの改選を持っていればいいわけですし。
それに、これは実現したとしても、MIDI楽器のみのお話です。
つまり、ラッパはもちろん管楽器は参加できないわけです、セッションに。エレキ弦楽器とピアノの独壇場な訳です。………方針変えませんかYAMAHAさん(^_^;
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